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数C① 行列

行列 ぎょうれつ  Matrix (複数形 Matrices; Matrixes)
簡単に言ってしまえば数字を縦と横に並べて、一まとまりとしたもののことです。



行列の横の並びのことを「行(ぎょう;Row)」といい、縦の並びのことを「列(れつ;Column)」といいます(日常で使う行と列という言葉の感覚からすると逆に思えると思いますので、注意して下さい)。

行列は数Bで習ったベクトルを発展させたものになります(行列の特殊バージョンがベクトルである、と考えます)。といっても、有向線分としてのベクトルの発展版というよりかは、成分的に考えたたきのベクトルを発展させたものを考えた方がわかりやすいと思います。複数の量(例えば、x成分とy成分)を一度に表すことができるのはベクトルの便利さの一つでしたが、行列はさらに発展させて、「もっとたくさんの量を一気に表します!」。

…ちょっとあほっぽく聞こえるかもしれませんが、でも突き詰めてしまえば行列というのはそれにつきます。そして、なぜ行列で一気にたくさんの量を表す必要があるかと言えば、そうした方が別々に量を表すよりも簡単に計算ができるようになるからです(行列の最初のころにやるような問題はあくまで行列に慣れるためのものなので、行列を使わないでもいいじゃないかという気がしても、そこは何卒我慢してください…)。行列というのは元々連立方程式の解を見つける研究から発展してきたと言われていますが、現在ではそれだけの利用にとどまらず、「写像(しゃぞう)」という関数を発展させたものを「表現」するのに用いられています(関数は「数と数」を対応させる機能でしたが、写像は「何かと何か(例えば図形と図形)」を対応させる機能のことになります。写像の特殊版が関数だと考えられているのです。)
(経済学での行列の利用例としては「産業関連表」があります。それぞれの産業が他の産業にどれくらい関連しているのか・依存しているのかを行列の形式で表にしたものになります。)
行列は、大学の「線型代数」という科目で深く学んでいくことになります。線型代数で学ぶ知識というのは、物理学やコンピューターグラフィックスの世界で利用されています(数Cで点の回転移動や1次変換というものを学んでいきますが、そのときにコンピューターグラフィックスに行列の知識が必要なんだ、というのが少し実感できると思います。

最初の説明で、「数」を並べたものという風に書きましたが、必ずしも「1,2, 3, ...」といったアラビア数字だけではなく、「sin x」や、変数「x,y」などが並んでいる行列もあります。

行列は普通アルファベットの大文字1文字で表します。「行列A」などといった具合です。
これから、数Cではまず行列の加法と乗法(行列+行列;行列×定数;行列×行列)を学んでいきますが、行列同士の乗法は慣れない間はちょっとしたミスが多くなってしまうかもしれません。行列の乗法というのは、ベクトルの内積計算を何回も繰り返してやるのと同じことです。行(横の並び)を一つのベクトルの成分とみなし、列(縦の並び)も一つのベクトルと見なせば内積の計算をしているのを一緒です。行列の乗法が覚えにくいなと感じたら、数Bの内積(コサインを使う方ではなく、成分で計算する方の定義)を復習して見てください。行列との関連性が見えてくると思います。行列同士を掛ける場合は、どちらにどちらを掛けるかという順番が違うとその結果が違ってくる(=交換法則が必ずしも成り立たない)、ということを学びます。

ちなみに、行が1行だけの行列のことを特に「行ベクトル」、列が1列だけの行列を特に「列ベクトル」と呼びます。


行列同士の掛け算の考え方

行列同士の掛け算の場合、最初に来るほう(=掛けられるほう=A)は行を一まとまりと考えます。上の例では「a11,a12」を「ベクトルa1」として考えました(a1と呼ぶのはあくまで便宜上です。もっと混乱しないような名前のほうがいいかと思いますが…)。そして、後に来るほう(=掛ける方=B)は列を一まとまりと考えます。上の例では「b11, b21」を「ベクトルb1」と考えました。そして、これらのベクトルの内積をどんどん計算していくのです。「a1・b1]という内積は「a11×b11+a12×b21]をする、ということであり、「a1・b2」という内積は「a11×b12+a12×b22」という計算をします。(今書いた「×」という記号は普通の掛け算を意味しています。ベクトルの外積ではありません」


行列の成分 ぎょうれつのせいぶん Element; Entry 
行列をつくっているそれぞれの要素のことを行列の成分といいます。アラビア数字ではなく、文字を使っている場合に、行列の各成分を示すときには、「何行目の何列目」という意味の添え字をその文字の右下に書いてやります。

正方行列 せいほうぎょうれつ  Square matrix
行(横の並び)の数と、列(縦の並び)の数が同じ行列のことを正方行列といいます。行と列の数が同じなので、行列の成分が正方形の形に並んでいると考えられます。行と列の数が2つの正方行列を2次の正方行列、3つのものを3次の正方行列…といいます。
例:


零行列 れいぎょうれつ、ぜろぎょうれつ Zero matrix; Null matrix
成分がすべて0である行列のことを零行列といいます。

単位行列 たんいぎょうれつ Identity matrix; Unit matrix
行(横の並び)の数と列(縦の並び)の数が同じであって、行列の左上から右下を結んだ対角線上にある成分が全て1、それ以外の成分は全て0であるような行列を、単位行列といいます。

逆行列 ぎゃくぎょうれつ  The inverse
ある正方行列2つあったとします。その正方行列同士を、どちらから掛けたとしても結果が単位行列になる場合、一方を他方の逆行列といいます。
逆行列は必ず存在するわけではありません。数Cではある行列に逆行列があるかどうかを計算によって確かめる問題を学びます(このとき「行列式」という概念を使っているのですが、教科書などでは「行列式」という用語を用いていない場合もあるようなので、このブログでも「線型代数」のカテゴリーのときに行列式を紹介しようと思います。)

行ベクトル ぎょうべくとる Row vector; Row matrix
行が1つの行列のことを特に「行ベクトル」といいます。

列ベクトル れつべくとる Column vector
列が1つのベクトルのことを特に「列ベクトル」といいます。

零因子 ぜろいんし;れいいんし
零行列ではない行列AとBがあって、AB =O となるとき、AとBを零因子といいます。…零因子はあまり気にしなくても良いと思います。深く考えようとすると「環」といった大学レベルの概念が出てきてしまうので。参考書などでも零因子の扱いは小さいです。

ケーリー=ハミルトンの定理 Cayley–Hamilton theorem
数Cではこの定理を使い、2次の正方行列の次数を下げて考えられるようにします。数Cでは2次の正方行列のみに対してこの定理を使うと思いますが、大学でこの定理をより深く学びます。

ケイリー Arthur Cayley (1821 – 1895)はイギリスの数学者です。ケイリーは弁護士でもあり、弁護士活動をしながら数学論文を残しました。

ハミルトン Sir William Rowan Hamilton (1805 – 1865)はアイルランドの物理学者・天文学者・数学者です。彼の物理・数学に対する貢献は非常に大きく、大学生になると彼の名前をちょくちょく聞くようになります。


連立1次方程式の係数行列 れいんりついちじほうていしきのけいすうぎょうれつ

連立1次方程式というのは中学から学んできましたが、数Cでは行列を使って解いてみる練習をします。

係数行列とは、名前そのままで連立方程式の「係数」が成分である行列のことです(ですから、係数行列という場合には解きたい方程式のことを考えているはずで、「係数行列」という用語だけポンッと使われることはありません)。



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