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数A③ 論理と集合

命題 めいだい Proposition; Statement
数学で命題と言った場合には、「正しいか正しくないかを判断できる文」という意味です。命題というととっつきにくそうですが、「文」という言葉で置き換えてあげれば良い場合がほどんどです。注意が必要なのは、「正しいか正しくないかを判別」できなければならないのであって、「彼女は美人だ」というのは個人の価値観で正しいか正しくないかが分かれてしまうので、命題ではありません。
命題は正しくなければならないわけではありません。その命題が正しくなくてもよいのです。例えば、「1と2を足すと4である」というのは正しくはありませんが、命題です。

命題を記号で表す場合にはP(p)というPropositionの頭文字を使います。2つ命題が必要な場合には、Pの次のアルファベットである(Q)が使われることが多いです。大文字も小文字も両方よく使われます。

命題には「PならばQである」という風に2つの部分からなっている命題もあります。この2つの部分のそれぞれが命題とあると考え、2つの命題を合成して1つの命題が出来ていると考えても良いし、PとQはそれぞれある1つの命題の構成要素であると考えてもどちらでも良いです(現在の高校教育では、PとQは構成要素であり、2つの命題が1つの命題を作っているとはあまり教えないようですが、下で紹介する「必要条件・十分条件」を考える際には、2つの命題が合わさって1つの命題になっていると考える方がスムーズにいくかもしれません。…が、自分にあった方の考え方をすればどちらでもいいと思います。)

数学においては、「ならば」という意味を表す「⇒」という記号がありますので、上の「PならばQである」というのは:
P ⇒ Q
と書くことが出来ます。
基本的にこの矢印の記号を使うときには左から右に向かっているものを使いますので、「QならばPである」という場合には:
Q ⇒ P
という具合に書きます。

上のように「PならばQ」という形になっている場合、PとQの両方をそれぞれ「条件」といいます。このことは日常の言葉の感覚とずれていると思います。この条件というのは英語の「Condition」という語を訳したものです。オックスフォードの英英辞典では:

a situation that must exist in order for something else to happen
「他のものごとが起こるために存在していなければならない状況」
(URL:http://oald8.oxfordlearnersdictionaries.com/dictionary/condition)

という意味が載っています。
よって、「状況」という意味で考えたほうがこの後紹介する「必要条件」「十分条件」というものが理解しやすくなるかもしれません。


真偽 しんぎ True or false
命題が正しいか正しくないかは、「真(しん)である・偽(ぎ)である」という用語を使って表します。ある命題が正しければ「この命題は真である」、ある命題が正しくない場合は「この命題は偽である」という風にこの用語を使います。

注意すべきは「PならばQである」という形の命題(もしくは2つの命題の関係)の真偽を考えるときです。この形の真偽を考える場合には、「集合」の考えを用いてベン図を利用するのが一番理解しやすいと思います(というか、この集合を用いた考えが「P⇒Qは真である」ことの定義だと思ってください)。Pという集合があって、その集合がQの部分集合である場合に「P⇒Q」は真であると考え、部分集合でない場合には偽となります。

「集合」の記事でも書きましたが、PがQの部分集合であるとは、PがQに全部含まれる場合と、PとQがぴったり重なる場合の両方を指すことに注意が必要です:


例として
P:x^2 =4
Q:x=2
という2つの条件(または2つの命題)を考えてみます。

まず
P⇒Q、つまり x^2 =4 ⇒ x=2
の真偽を考えてみると、「x^2 =4」の解は「x=+2 または x=-2」ですので、Pという集合はQという集合の部分集合にはなりません。よって、「P⇒Q」は偽です。


しかし、Q⇒P つまり x=2 ⇒ x^2 =4
の真偽を考えてみると、Qという集合はPという集合に含まれますので、この「Q⇒P」は真です。

(画像では、「…⇒…」の左側のものを青色、右側のものを赤色で書きました)


反例 はんれい Counterexample
ある命題や主張が正しくないのを示す例のことを反例といいます。真の命題には、反例は一つも見つかりません。偽の命題には必ず反例が見つかります。よって、反例が一つでも見つかれば、その命題は「偽」であることを示せたことになります。ただ、注意が必要なのは、反例が見つからない=その命題は真である、とはいえないことです。いつか反例が見つかるかもしれないわけですので、その命題が真であるかどうかは、反例を考える以外に証明をきちんとしなければなりません。

全体集合 ぜんたいしゅうごう Universal set
色々な集合を全部集めた集合のことです。ベン図などではUというUniversalの頭文字をとって表されることが多いです。

否定 ひてい  Negation; Logical complement
ある命題の反対の命題のことをもとの命題の「否定」といいます。「Aである」の否定は「Aでない」であるし、「Aでない」の否定は「Aである」になります。
否定の記号は、命題(条件)を表す文字の上に横棒を引いて表します(大学レベルでは違った方法で表します)。

逆 ぎゃく Converse
「もしPならば、Qである」という命題(もしくは2つの命題の関係)の、仮定と結論を入れ替えた「もしQならば、Pである」という文を、もとの「逆」といいます。
ある命題(関係)の真偽と、その命題(関係)の逆の真偽は、一致する場合もあれば一致しない場合もあります。


裏 うら Inverse
ある命題(または2つの命題に関する関係)「PならばQである」というものがあったときに、「PでないならばQでない」のことを、もとの命題(関係)の「裏」といいます。
つまり、「もとの命題(関係)の逆の否定」になります。
「裏」の真偽は、もとの真偽に一致する場合もあるし一致しない場合もあります。


対偶 たいぐう Contraposition
ある命題(もしくは2つの命題に関する関係)「PならばQ」というのがあったときに、「QでないならばPでない」を、もとの命題(関係)の「対偶」といいます。
もとの命題(関係)の真偽と、その命題(関係)の対偶の真偽は必ず一致します。すなわち、ある真の命題(関係)があったときにその対偶は真になるし、ある偽の命題(関係)があったときにその対偶は偽になります。この法則は証明に利用されることがあります。ある命題の真偽が判別できない場合に、その命題の対偶の真偽を考えてみると解決できる場合があるのです。


必要条件 ひつようじょうけん Necessary condition
補足あり)
「PならばQである」という形の命題(または2つの命題の関係)があったとして、それが真である場合に、Qを「Pの必要条件」といいます。

十分条件 じゅうぶんじょうけん Sufficient condition
「PならばQである」という形の命題(または2つの命題の関係)があったとして、それが真である場合に、Pを「Qの十分条件」といいます。

必要十分条件 ひつようじゅうぶんじょうけん Necessary and sufficient condition
「PならばQである」という形の命題(または2つの命題の関係)があって、それが真であって、その逆である「QならばPである」も真である場合には、「PはQの必要十分条件である」または「QはPの必要十分条件である」といいます。

同値 どうち If and only if; Iff
「PならばQであり、かつ、QならばPである」というのが成り立っているとき、PとQは同値であるといいます。同値と必要十分条件は、同じものを指しています。PとQが同値のときを「PはQの必要十分条件である・QはPの必要十分条件である」と言っているのです。

背理法 はいりほう 帰謬法 きびゅうほう Proof by contradiction (Indirect proof;Apagogical argument; Reductio ad impossibile)
背理法(帰謬法)とは、「矛盾による証明方法」です。ある命題を直接的に証明するのが難しいとき(例えば、証明するための証拠が全然集まらないときなど)に、その命題が正しい(真である)とまず仮に考えてみるのです。そして、その結果が正しいならば必ず正しくなければならない事柄をチェックしてみます。そのときに、必ず正しくなければならないことと最初にした仮定とが両立しない場合があります。こうして矛盾が生まれた場合、最初の仮定が間違っていたことになります。よって、ある命題は正しくないので偽だとわかり、真偽が証明されたことになります。

教科書にも載っている、代表的な背理法の利用方法は、「√2は無理数である」というのを証明してみることです。これはまず√2が無理数ではない、つまり有理数であると仮定します。それから有理数であれば成り立つ出あろう性質を調べてみて、最初の仮定との矛盾を見つけ出します。こうして最初の「有理数である」という仮定が間違っていた、つまり√2は無理数であるという結論に達します。
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